top of page

​コラム

製造業の業務プロセスを変革する最新技術をテーマにした連載コラム

第3回:
デジタルツインを支えるテクノロジーとは?種類と概要を徹底解説

第3回デジタルツインコラムサムネ

デジタルツイン(Digital Twin)とは、現実世界から収集したデータを元に、現実世界と双子のようにそっくりな世界を仮想空間上に再現するテクノロジーです。デジタルツイン連載コラムの第1回は「デジタルツインとは?」について、デジタルツインの概念やメリット等を解説しました。第2回は「2023年のデジタルツイン最新事例」として、DX銘柄に選定された製造業が取り組む事例をご紹介しました。

 

第3回となる今回は、デジタルツインの実現に必要なテクノロジーをテーマに、どんな技術が活用されているのか、その種類と概要を分かりやすく解説します。

<目次>

・デジタルツインとは?概念と活用事例(振り返り)

・デジタルツインに活用される6つの技術

​ ◦IoT

​ ◦5G

​ ◦AI

​ ◦各種シミュレーション

​ ◦GPU

​ ◦AR・VR

​・まとめ

 デジタルツインとは?概念と活用事例(振り返り)

デジタルツインとは、現実世界から収集したデータを元に、現実世界と双子(ツイン)のようにそっくりな世界を仮想空間(デジタル)上に再現するテクノロジーのことでしたね。

 

デジタルツインとは?概要とメリットをもっと詳しく知りたい方は第1回目のコラムをご覧ください

第1回コラムへのリンク

例えば日本では、経済産業省の「DX銘柄2023」に選定された株式会社ブリヂストンが、走行中のタイヤの情報をリアルタイムに吸い上げて(タイヤのデジタルツインによって)遠隔モニタリングし、素早く異常を検知することでトラブルを未然に防ぐ取り組みを行っています。

 

デジタルツインを活用した最新事例については第2回目のコラムで詳しくご紹介しています

第2回コラムへのリンク

デジタルツインによって品質向上や予知保全をはじめとしたさまざまなメリットが得られるため、デジタルツインを活用している企業は国内外で増えています。それでは実際にデジタルツインを構築するためにどのようなテクノロジーが活用されているのでしょうか。

デジタルツインに活用される6つの技術

一口にデジタルツインと言っても、何をデジタルツイン化するのか(工場?町?)、そこで何がしたいのか(工場の稼働状況を監視したい?町の交通状況を予測したい?)など、事情はさまざまです。そのためこのツールさえあればデジタルツインが作れます!というものではなく、あらゆる技術を組み合わせることが必要です。ここでは特に製造業におけるデジタルツインに必要とされる代表的な技術を6つご紹介します。

 

1.IoT

2.5G

3.AI

4.各種シミュレーション

5.GPU

6.AR・VR

デジタルツインの要素技術まとめイメージ

1.IoT:あらゆるモノのデータを吸い上げる

IoT(Internet of Things)とは、あらゆるモノがインターネットに接続してデータの送受信を行う技術です。工場のカメラやセンサー、ロボットなどの機器からデータを取得してデジタルデータに反映させることで、現実世界を再現します。

2.5G:リアルタイムなデータ処理

5G(5th Generation:第5世代移動通信システム)とは、2020年からサービスが開始された通信規格であり、高速大容量・多数同時接続・超低遅延が特長です。IoTが収集するあらゆるモノのリアルタイムなデータをシームレスに処理できるため、より現実に近いデジタルツインが構築できます。

3.AI:データ分析

膨大なデータをAI(Artificial Intelligence:人工知能)によって分析・処理することで、新たな気付きが得られます。例えばカメラの画像データや設備のセンサーデータから製品の不良および機械の異常検知などを予測します。近年では「エッジAI」、つまりAIをエッジ(IoTデバイス)側に搭載してその場でAI分析を行うことで、よりリアルタイム性を高める技術も注目されています。

4.各種シミュレーション:製品設計~開発、製造工程のシミュレーション

製造業向けのデジタルツインで重要となるのが、各種シミュレーション技術です。代表的なものには、CAD(Computer Aided Design)とCAE(Computer Aided Engineering)、製造プロセスシミュレーションが挙げられます。製品の設計から実際の製造工程をデジタルで行うことにより、製造業のプロセス全体を高速化する技術として従来から使われてきました。CADによる3Dの設計データ、CAEによる製品特性のシミュレーション、および製造プロセスシミュレーションによる製造ラインの設備配置、ロボット動作のシミュレーションもデジタルツインを構築する大きな要素となります。

5.GPU:超高精度な画像処理技術

1~4で見てきた技術により収集・作成したデータを、正確にデジタルツインとして再現する画像処理技術が必要です。GPU(Graphics Processing Unit)は、3Dグラフィックスなどの高度な画像描写を高速に行うためのプロセッサとして、まるで実物のようなリアルな質感をデジタルで表示するために必要となります。ちなみにGPUはその特性上、ディープラーニングにも向いているため、前述のAI領域においても活躍します。

6.AR・VR:デジタル空間を現実世界に照らし出す

AR(Augmented Reality:拡張現実)およびVR(Virtual Reality:仮想現実)もデジタルツインにとって重要です。デジタルツインをデバイスの画面上でただ見るよりも、より没入感のある形で可視化することによって、デジタルツインで再現したさまざまな事象を現実世界と同じ視点で精度よく検証することが出来ます。

まとめ

このように、デジタルツインはさまざまなテクノロジーを組み合わせることによって実現されます。デジタルツイン化したい対象は何か?そこで何を再現・予測したいのか?によって、必要とされる技術やツールが異なるので、まずはゴールを明確にしたうえで、自社にとって必要な要素技術を調査することが重要と言えます。

 

ここまでの連載コラムにて、デジタルツインの基本的な内容を網羅してきました。次回は、もっと技術的な側面に着目し、デジタルツインを支える具体的なソリューションについてご紹介していきます。お楽しみに!

過去のコラムはこちら>

第1回:デジタルツインとは?メリットと製造業における重要性を分かりやすく解説

第2回:【2023年版】製造業におけるデジタルツインの最新事例3選

関連製品

DELMIA 3DEXPERIENCE

3DEXPERIENCE製品サイトへのリンク

DELMIAは、製造工程のシミュレーションを通じ、実際の工場や製造ラインが完成する前に仮想空間でTry&Errorを行い、最適な製造工程立案に寄与します。

NVIDIA Omniverse

Omniverse製品ページへのリンク

OmniverseはNVIDIA社が提供する3D仮想空間(メタバース)を構築するための
プラットフォームソフトウェアです

コラムについてお問い合わせの方はこちら

アンカー 1
アンカー 2
アンカー 3
アンカー 4
アンカー 5
アンカー 6
アンカー 7
アンカー 8
アンカー 9
bottom of page